【先輩に聞く群馬の企業で働く魅力!】〜暮らし支えるものづくりにやりがい~
このトピックス欄では、群馬で活躍する若手社員のインタビューを掲載しています。
群馬での就職活動の参考にしてもらえるよう、県内の特色ある企業や生活環境の魅力をお伝えする記事を随時更新していきますので、チェックしてください!!
今回インタビューしたのは、自動車部品製造の「坂本工業」(太田市)で働く森尻和生さん。入社5年目で車に搭載する樹脂燃料タンクの設計を担当しています。森尻さんに「ものづくり企業のやりがい 」について聞きました。
—群馬県は自動車産業を中心に製造業が盛んな地域として知られています。
メインの取引先であるSUBARU(スバル、東京都渋谷区)は、群馬県太田市に国内唯一の自動車生産拠点があります。太田市周辺には自動車関連の企業が多く、技術力の高い製造メーカーが集まっています。当社も1950年代からSUBARU(当時は富士重工業)の燃料タンクやマフラーを受注して発展してきました。
現在では国内のほとんどの大手自動車メーカーと取引があり、樹脂や板金の燃料タンク、マフラー、エンジンの排気ガスを排出する「エキゾーストパイプ」などを製造しています。
—業務内容を教えてください。
所属する第2製品開発部は、自動車の燃料を入れる樹脂タンクの設計を担当しています。入社して1年目は、3次元(3D)CADと呼ばれるコンピューターで物の形状を立体的に描く技術を学びました。
最近は機械設計に欠かせないCAE解析にも挑戦しています。CAE解析は、設計段階で製品の性能や強度を検証することができるソフトウェアです。実際に試作しなくてもコンピューター上で模擬試験ができ、速く最適な仕様の提案を目指しています。
—仕事のやりがいは。
ガソリンや軽油を蓄える燃料タンクは、車両火災など大きな事故に関わる「重要保安部品」に位置付けられています。性能に加えて安全性への配慮が欠かせず、人の命を預かる責任ある仕事だと自負しています。
また、開発に携わった新車種が発売され、街中を走っているのを見た時はうれしいですね。燃料タンクは車の見えない部分に搭載されるので、一般の方はほとんど目にする機会はないと思います。車いじりの好きな方や整備の仕事に就いた友人から「坂本工業のロゴが入った部品見たよ」と言われると誇らしくなります。
—坂本工業を志望した理由を教えてください。
地元が太田市なので、社名は知っていました。毎年、当社敷地内で納涼祭(2020年以降はコロナ禍で中止)が開かれ、約1万発の打ち上げ花火が印象に残っています。
大学が工学部だったので、漠然と地元のものづくりの会社に就職しようと思っていました。都内や群馬県内、学内の合同説明会に参加する中で、坂本工業に興味を持ち、説明会で会社を訪問しました。
開発力に定評のある会社らしく、最新の実験設備があり、車を入れて振動騒音試験ができる大規模な完全無響室には圧倒されました。ここなら大学での学びを生かし、レベルの高い開発業務に携われると感じました。
社食も魅力でしたね(笑)。福利厚生の一環で低価格で利用でき、味もボリュームも満足しています。会社に隣接したテニスコートや野球場、グランドゴルフ場もあり、自分も社内の野球部に所属しています。
車好きの社員が多いので、駐車場で互いの愛車を見せ合ったり、一緒にドライブする社員も。趣味を共有できる仲間が多く、仕事以外の楽しみも充実しています。
—開発の仕事で大変なことは何ですか。
燃料タンクの素材である樹脂はさまざまな形状に加工できますが、金属に比べて変形しやすく熱に弱い特性があります。設計の際も安全面の配慮から制約が多く、燃料の容量は十分か、エンジンに燃料が送れているかなど、細かく検証する必要があります。
設計しただけで製品はできません。設計後も生産技術部門と実現可能かを話し合ったり、安全性能を実験部門にチェックしてもらったりする必要があります。各部署との調整も大切な仕事で、コミュニケーション力が求められる仕事です。
設計には製造方法や品質保証、実験や試験の方法など多角的な視点が必要で、自分もまだ勉強中です。今後は協力メーカーの工場見学や社内の教育講座を通じて、さらに知識の引き出しを増やしていきたいと思います。
—職場の雰囲気を教えてください。
当社のオフィスは各部署がワンフロアに集まっているため、社員同士の意見交換が活発です。1人で仕事をすることはなく、他部署を含めて多くの人とものづくりができるので、開発者として成長できる職場だと思います。
職場の先輩も優秀な方が多く、同じ部署の男性チーフは、誰からも好かれ、知識の幅も広く尊敬しています。クライアントの要望に応えつつ、製造や品質保証、部品メーカーにまで最適な指示や改善策を提案し、きちんと伝える力は本当にすごい。自分にとって憧れの存在です。
—今後の目標は。
自動車産業は環境規制の強化や技術の進化など、大きな変革期を迎えています。当社も温暖化ガスを排出しない水素自動車用の水素タンクの開発を進め、新たなものづくりで社会への貢献を目指しています。
私も、環境対応車向けの画期的なタンク開発に、メンバーの一員として関わっています。最新の技術を学び、新たな製品を開発することは、とてもワクワクします。
自分が設計した製品で、高性能の自動車開発に貢献し、人々の暮らしをより良くすること。それが一番の目標です。