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第5回ぐんま就活・働き方最新情報【2024グンマ・シューカツ・ネットワーク】

2024グンマ・シューカツ・ネットワーク

ぐんまの最新!「就活」「働く」情報をお伝え!

2024年度のグンマ・シューカツ・ネットワークは

2つのコンテンツでお送りします!

①プロの記者によるぐんまでの最新の就活や働き方の情報をお届け!

「ぐんま就活・働き方最新情報」

②学生ライターが、学生目線で、ぐんまでの就活や働くことについて記事を執筆!

「学生ライターが行く!ぐんまの就活・ぐんまでお仕事」

就活をしている、これからしようと思っている学生の皆様

そのご家族の方々

採用したい企業の皆様

群馬で働こうと考えている皆様

いろいろな角度から記事を掲載していきますので皆様是非ご覧ください!

 

 

変わる建設・製造の「現場」、DXや新事業で若手が活躍

 

群馬県の主要産業である製造業や建設業。地域経済と社会のインフラを支える一方で、BtoB(企業間取引)の企業が多く、若い世代に仕事の魅力が伝わりづらいという悩みも。群馬県内では、建設業界が女性活躍やデジタル化を進めたり、自動車関連メーカーがアウトドアブランドを立ち上げたりと、企業イメージ刷新を目指して動き出しています。   今回は、そんな変わりゆく建設業、製造業の取り組みについて紹介します。

 

新たな「3K」職場を目指して

 

総合建設会社として、公共工事や大規模建築、改修を手掛ける沼田土建(沼田市)。いち早くICT化を推進する企画室を立ち上げ、大学などと共同で一歩進んだ取り組みに挑戦してきました。国から受注する国道17号の維持管理では防災気象情報や人工知能(AI)による路面温度の予測を活用し、熟練者の経験が頼りだった凍結防止剤の散布、除雪機械の出動を効率化するシステムを構築しました。

2024年4月には、大手建設機械メーカーのコマツ、NTTドコモ、ソニー、野村総合研究所の4社共同で設立したEARTHBRAIN(アースブレイン)とパートナー協定を締結。工事現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進め、安全性や生産性の向上へ取り組みを進めています。

 

 

DXを進めることで若手のやりがい創出や、会社の魅力向上にもつながります」と語る吉田さん

 

DXを急ぐ背景には、建設業界の深刻な人手不足があります。同社企画室の吉田美由紀室長は「建設会社は3K(きつい、汚い、危険な)というイメージが強く、学生や保護者から就職先として選ばれにくいのが現状。今いる社員が効率的に働き、ICTの導入で事業の成長と若手の活躍の機会を増やしていく、そんな新3K(給与がよい、休暇が取れる、希望が持てる)を実現するために、DXは避けて通れない道です」と語ります。

 

 

    「建設業未経験でも現場の力になれる。自分がそのモデルケースになればうれしい」と語る林さん

 

 

建設業界では今、デジタル技術を積極的に取り入れることで、建設業未経験者など活躍する人材の幅が広がっています。同社企画室で、ICTを使って活躍する林直子さんもその一人。林さんは結婚を機に退職後、約15年を経て以前勤務した総務部門ではなく、社内のICT化を推進する企画室に復帰しました。

建設現場で作業もあり、体力や技術の面で不安なこともありましたが、ICT建機の自動化やドローンの活用などの環境が整備されたことで復帰もスムーズに。現在は3Dレーザースキャナーによる点群作成やドローンによる写真測量、データ整理を担い、こうした支援業務に関する民間資格「建設ディレクター」も取得。現場が負担に感じていた仕事を分担できるようになり、「工期短縮や業務効率化に自分の力が役に立っているのを実感しています」と笑顔で話します。

 

ICT化を進めることで、生産性が上がって長時間労働が改善されたり、社内の働き方改革につながったりする効果も現れています。「建設業界は変わりつつあり、現場でもトイレや更衣室がきれいになって女性でも快適に働けるようになりました。建設の仕事は自分の関わった仕事が形になり、ずっと残るのが魅力です。若手や女性がこれから活躍できる業界なので、ぜひチャレンジしてほしいです」。(林さん)

 

 

自動車内装の端材でアウトドアグッズ

 

 

群馬は自動車産業が盛んで、関連企業が数多くあります。創業64年のしげる工業(太田市由良町)は、大手自動車メーカーのインストルメントパネル(運転席前面の計器盤)やドアトリム(ドアの内張り用パネル)、産業機械のシート(運転座席)など、主に樹脂部品の設計・製造を手掛けてきました。

持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指して、2023年からは自動車内装部品の製造過程で生じる端材を生まれ変わらせる「アップサイクル」製品の開発にも力を入れています。 同社では、内装用の表皮素材を製品サイズに打ち抜く際にロール換算で約3%の端材が発生していました。社内の新規事業開発チームは、廃棄されていたスウェード調の表皮や合皮の端材に着目。自動車用として、手触りが良く、高い耐久性や防汚性を備えた素材の特性を生かし、アウトドア用品に加工することを思いつきました。

オリジナルのアウトドアブランド「SG BASE」を立ち上げ、取り付け可能なチェアカバーやトートバッグ、収納ボックスの上にも敷けるクッションなどを開発。他社とのコラボレーションによる木工クラフトのカッティングボードを発売したり、デパートのポップアップに出店したりと、販路を拡大しています。

 

 

自動車内装で廃棄された端材を生かしてアウトドアグッズに

 

 

同社ベンチャービジネス企画部「SG BASE」リーダーの大川友希さんは「一般消費者を対象にしたビジネスは、会社として初めての取り組み。デザインやプレゼンテーション、接客など、これまでの業務にはない経験を積むことで、社員のやりがいとスキルアップにも好影響があると感じています」と力を込めました。

 

 

アウトドアブランド「SG BASE」のバッグを紹介する大川さん(右)と長谷部さん

 

 

環境に配慮した製品作りは、会社のイメージアップにもつながっています。同社人事部人事課の長谷部宗也さんによると、SDGsに関心が高い学生も多く、アップサイクルの商品開発が採用活動で興味を持ってもらうきっかけになっているといいます。

「地元小学校で端材を使ったワークショップをするなど、地域貢献にも取り組んでいます。新規事業を通じて、若手社員が活躍できる社風をアピールすることで、自社だけでなく製造業のイメージアップにもつながると期待しています」(長谷部さん)

 

群馬県内ではほかにもDXやイノベーション(技術革新)、女性活躍など、時代の変化に合わせた事業改革を推進する企業が増えています。金融業界が広告業へ、製造業が化粧品販売へ。

いわゆる「本業」以外の新規事業に投資する中で、若手社員が活躍できる領域も広がっています。企業研究の際は業界のイメージや先入観に縛られず、さまざまな角度から企業の取り組みに目を向けてみてください。これまで知らなかった業界に、自分の「やりたいこと」が見つかるかもしれません。

 

「ぐんま就活・働き方最新情報」

プロの記者によるぐんまでの最新の就活や働き方の情報を順次お届けしていきます。

① 群馬県内121社の動向を分析!「売り手市場」も採用意欲に落ち着き

② 群馬県内の学生必見!地元就職を成功させる「情報収集術」

③ 新人教育やオフィス環境を充実!「働きやすい会社」目指す群馬県内企業の取り組み

④ 親子で考えよう、就活のこと。「体験談」で働く姿をリアル

⑤ 変わる建設・製造の「現場」、DXや新事業で若手が活躍

 

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