【#食品製造#商品開発#地域貢献#群馬】ペヤングホールディングス
学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク
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今回は、誰もが知るあの「ペヤングソースやきそば」を製造・販売するペヤングホールディングス!
食品製造の魅力についてインタビューします。
取材担当:松本深里さん(高崎経済大・3年)
私は「地域と人をつなげることで双方が豊かになる仕事」を就職活動の軸としています。
このような中で「食」は日々の生活の営み、ひいては人生そのものにおいて大きな割合を占める大切なものであると考えています。
そのため、今回の取材を通してこれらの食を支える地域の食品製造業に対してより深く理解する機会にしたいと考え、このようなテーマ設定にしました。
ペヤングホールディングスの商品開発についてもっと詳しく!
――ペヤングホールディングスといえばペヤングの大盛りシリーズや獄激辛シリーズなどユニークな商品が有名ですが、商品開発はどのように行われているのでしょうか?
ペヤングの商品開発では「他社がやらないこと」をコンセプトに、あえてマーケティング分析などはせずにスピード感を大切にして開発しています。ギガマックスやペタマックス、獄激辛のように独自路線を行くことでお客さまに手に取ってもらうことを考えながら新商品を開発しています。
取材を受け入れていただいたグループ広報担当の小島さん
――商品開発の際、具体的にどのようなエピソードがありましたか?
ある日、ペヤングのやきそばとおにぎりを買っている学生をたまたま社長がコンビニ店のレジで見かけたそうです。そこで、なんとかしておにぎりの売り上げのところもペヤングの売り上げにできないかと考えて「超大盛」が誕生しました。
その後、もっと食べたいというニーズに応えるうちにどんどん大きくなり「ギガマックス」を商品化し、さらに元のペヤングの約7個分の大きさを誇る「ペタマックス」まで大きくなりました。
「激辛」の商品も同様に、もっと辛いものをという消費者ニーズをとらえて最終的に「獄激辛」になりました。他社ですと、ブレーキがかかってしまうような、ここまではやらない、できないというところを商品化した事例ですね。
さらにもう一つ社長のアイデアでできた商品は、新幹線の車内でよく駅弁などの臭いがすることがあり、食欲をそそられる一方でにおいが迷惑だなと感じることもあるかと思いますが、あえてそうした臭いの部分を商品のコンセプトにできないかとの発想から生まれたのが「にんにくMAX焼きそば」です。
これを食べると部屋中にニンニクの臭いが充満して大変なのでパッケージにも注意書きをしてありますが、それを体験してみたいという消費者ニーズをとらえた商品になりました。
従来だとマイナスのイメージになる臭いをあえてペヤングの商品で考えてみると、プラスにできるのではという発想の転換が弊社らしいと思います。
――そんな開発秘話があったのですね!他の商品などで社員の皆さんが開発したものにはどんなものがありますか?
最近では「きのこMAXやきそば」や「たっぷりメンマ」、「オムそば風」、「キクラゲとたまごのやきそば」などが開発されています。
開発担当に女性メンバーが多いので、女性受けしやすい商品も増えています。特にキクラゲとたまごのやきそばは、今年入社したばかりの女性社員が開発したもので、商品のパッケージデザインも自社の女性デザイナーに担当してもらいました。
スピード感のある商品開発は同社の特徴
――自社で発案からデザイン、製造までを行うことができるのはすごいですね!しかも女性がたくさん在籍されていて、入社してすぐに活躍できるチャンスが多いことも魅力的だと思いました。
では、小島さんはペヤングホールディングスの魅力についてどのようにお考えですか?
大企業と比べると会社全体のメンバーが少ないことに加え、商品開発に社長も参加しているので、商品を開発してから実際に製品にするまでのスピードが他社より速いことが魅力だと思います。例えば味の改良だったり、パッケージデザインの修正だったりとか。他社の企業だと改良や修正が終わるまでに2週間程度かかるものが、自社では1日で出来上がることもあります。そういったスピード感はわが社ならではの強みだと思います。一番早かった商品は開発から販売まで約1カ月でしたね。
――開発から含めてもそんなに早いんですね。もし自分が考えたアイデアがこんなに素早く商品化できたらすごくうれしいと思います!
ペヤングホールディングスでは実際どんな仕事をしている?
――ペヤングホールディングスには事務や営業、製造・品質管理といった様々なお仕事があるそうですが、これらのお仕事は具体的にどんなものですか?
まず事務の仕事についてですが、弊社はカップ麺を製造している会社ですので、製造・販売の上で必要な事務を行っています。具体的にいえば、ペヤングの原材料である小麦粉の仕入れやパック容器、段ボールなどの調達を行う部署、私の所属している商品開発部門、販売関係では小売店からの受注や配送を行う部署、商品の請求書や売り上げを管理する経理などです。会社全体をとりまとめて、人事も行う総務部、お客さまの対応を行う受付業務の部署もあります。
次に営業の仕事についてです。営業に関しては商品のセールスを専門に行い、小売店や問屋に伺って定番商品の注文を受けたり、新商品をプレゼンテーションしたりしています。そのほか特売商品について、バイヤーさんと打ち合わせることもあります。
さまざまな部署の方が連携して働く具体的な話もしていただきました
――営業のお仕事は特に商品の売り上げと直結するお仕事なのですね。営業として商品を販売するときに何か心がけていることはありますか?
ペヤング「ソースやきそば」としては皆さんに知っていただいているのですが、新商品に関しては既存のソースの味とは異なる味になるので、購入していただけるかどうかの交渉があります。「この味はちょっと…」「こんな味があったら欲しい」といった顧客ニーズをくみ取りながら、いかにペヤングの導入店舗を増やして売り上げをつくっていけるかというところが重要です。
また、お客さまの納期を管理するのも営業の大事な仕事ですので、お客さまの希望する納期をしっかりと守り、配送や生産現場とも連携してトラブルが起こらないように心がけることが求められます。
――そういった業務もあるのですね。それでは製造・品質管理のお仕事はどのようなものでしょうか?
製造部門は、実際にペヤングを作っている工場での勤務になります。品質管理に関しては、商品の安心・安全を担保する大切なところなので、原料のチェックがあったり、製品の油の酸化値を測定したり、水分を分析したりと細かい作業がたくさんあります。
――一つ一つの作業がペヤングの品質を守っている重要な作業なのですね!
ペヤングホールディングスの働く面について知りたい!
――会社に新卒で入社したときのお仕事の流れについて教えていただけますか?
まずは商品や工場など会社全体についての研修を行った後、各部署へ配属され、先輩に教わりながら仕事をしてもらうという流れになります。会社全体の人数が少ないため、新入社員でも先輩と同じような仕事をやってもらうことが多いです。
――入社してすぐにでも責任感のある仕事を任せてもらえる環境なのですね。
1年目からどんどんやっていこうというスタイルで、どの部署の新入社員も実践的な仕事を担い、ノウハウを吸収しながら会社の一員として一緒に働くことができます。
現在3年生の松本さんは、就活生の目線でも質問していた
――そうなのですね。それでは、小島さんが今まで仕事をする中で、やりがいを感じた瞬間やうれしかった出来事について教えてください。
やはり一番うれしいのは、開発に携わった商品が店頭に並んで、その商品をお客さまが買っている姿を見たときですね。
さまざまなSNSで商品のレビューがされていて、「この商品がおいしかった」という声をもらったときも、やりがいを感じます。
時折、芸能人や有名なユーチューバーがペヤングを取り上げてくれることもあって、新商品の情報などを発信してもらえたときもすごくうれしいです。テレビ番組に出て、有名タレントさんと商品紹介をしたこともありました。
――ちなみに、ペヤングホールディングスで働く社員はどちらのご出身の方が多いですか?
社員全体の6~7割が群馬県出身です。そのほかに本庄や深谷、児玉といった埼玉県北部のエリアから来る人もいます。
女子ソフトボール部のメンバーは全国から来ています。
――群馬県の製造業で働く小島さんから見て、県内で就職することの魅力についてどのようにお考えですか?
個人的な意見ですが、群馬県は自然豊かな土地なので都心と比べると過ごしやすいという点があります。
北の方へ行けば山の自然を楽しむこともできたりして。都心へのアクセスもしやすく、また満員電車も少なく、車通勤などでストレスなくゆったりと通勤できるところも魅力的だと思います。
――ペヤングホールディングスとして考える群馬県に本社を置く利点はどんなところですか?
「自然災害の少なさ」ですかね。
最近ですと豪雨や地震などによって商品の流通が滞ってしまうことも多々あります。その点で群馬県はそういった災害が少ないといわれているので、流通が滞る心配が少ないです。
ペヤングホールディングスの地域貢献と今後の展望は?
――群馬県伊勢崎市に本社を構える企業として、地域との関わり方についてはどのようにお考えですか?
製造工場となると、どうしても周辺の地域に迷惑をかけてしまうこともあって、地域との関わりについては大事にしています。
今までには伊勢崎市内の子ども食堂にペヤングのやきそばを寄付したり、伊勢崎市のキャラクター「くわまる」をペヤングのパッケージに載せて、そのデザインのペヤングの売り上げ金の一部を伊勢崎市の子ども支援として寄付したりするなどの地域貢献活動を行っています。
――特に子どもたちへの支援を手厚く行っているのですか?
やはり若年人口の減少はペヤングの売り上げの減少にもつながってしまいます。そういった点でも幼い頃からペヤングというブランドや商品の味に親しみを持ってもらうことを大事にしています。
ペヤングに親しみを持ってもらうという意味では、わが社の女子ソフトボール部がコーチとなって、地域の中学生を集めてソフトボール教室を行っています。その教室や、ソフトボール部の遠征のときに所属選手から子どもたちに直接手渡しでペヤングを配ることもしています。
ソフトボールを通じた社会貢献も同社の特徴だ
――女子ソフトボール部の選手から手渡しでもらった子どもには、すごく思い出に残るイベントだと思います。大人になってもペヤングを食べるたびに思い出すこともありそうですね。
思い出に残るもので言えば、地元の小学生の工場見学や高校生とペヤングとのコラボ企画も行っています。
――ペヤングが高校生とコラボしているのは知りませんでした。どのようなきっかけですか?
宮城県の志津川高校との企画は、先生からお手紙をいただいたことがきっかけでした。ペヤングが大好きな先生が同じくペヤング好きの生徒を集めて、新発売の商品をレビューしたり、商品のおいしさをランキング形式でまとめたり、ペヤングの新たな味付けを考えたりといった形で「ペヤング同好会」として活動していたそうです。それで「せっかく考えた商品のアイデアをそのままにしておくのはもったいない!」ということで直接お手紙をいただき、ぜひ一緒に商品開発しようという話になり、Zoomで高校生と話し合いを重ね、ご当地ならではの特徴がある「たこめし風やきそば」、「南三陸わかめやきそば」「わさび醤油味やきそば」の3商品の発売が実現しました。
東京都立大島高校の場合は、伊勢崎市出身の先生からご連絡をいただき、伊豆大島の人口減少などの課題を共にPRできないかということでコラボレーションが実現して、地元産の塩を使った「ガーリックシュリンプ味やきそば」を発売しました。
――そんなストーリーがあるとは知りませんでした。ペヤングファンが次のペヤングファンを育てているのですね!商品開発に参加した高校生の心にも深く思い出に残るでしょうね。
特にペヤングのようなカップ麺については、小さい頃や学生時代の記憶に残るものは根強く愛されるだろうなと思っています。
大人になっても食べ続けるものって何だろうと考えたとき、昔からの思い出や習慣が基盤になると思うので、そこは大事にしていきたいですね。
――そうなのですね!本日はご多忙のところお時間をいただきましてありがとうございました!
取材を終えて「食品製造の理解が深まりました」と松本さん(右)
ペヤングホールディングスと言えば、ペヤングソース焼きそばをはじめとする多種多様のユニークなアイデアを形にした食品の製造・販売が思い浮かぶと思います。
しかし今回の取材を通して、ソフトボール教室の開催や高校と連携した商品開発、ソース焼きそばや売り上げの寄付といった様々な地域貢献活動を行っていることを初めて知り、「地域とのつながり」を大切にしながら人々に笑顔を届けていることに驚きを感じました。
これから就活で企業を選ぶ際には地域貢献活動への取り組みにも目を向けてみたいと思いました。
『学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク』(令和5年度)
学生ライターが注目する企業・業界について、学生がインタビューし作成した記事を掲載!
ぐんまでの就活について、学生目線でいろいろな角度からお伝えしています!
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