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【#地方#就活#起業#女性活躍】有限会社COCO-LO

インタビュー

学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク

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今回のテーマは、「地方で活躍する女性」です。


取材:宮路祐実さん(高崎経済大・4年)

 

今回は、地方で活躍する女性の話を聞いてみたいと考え、女性起業家の方にお話をお伺いしました。

女性のキャリアや生き方について興味があるので、テーマを設定しようとしたところ、COCO-LOの雅樂川陽子さんがインタビューを引き受けてくださいました。

こちらまで元気をもらえるようなすごくパワフルな雅樂川さんに聞いた、人生を思いっきり過ごす秘訣とは?そして、経営者から見た就活のポイントとは?必見です!

 

<COCO-LO代表取締役・雅樂川陽子さんのご紹介>

 

桐生市出身。29歳で訪問看護やデイサービスなどの介護保険事業を行う有限会社COCO-LOを起業。

内閣府主催「平成27年度女性のチャレンジ賞」の群馬県初受賞をはじめ、さまざまな賞を受賞。柔軟な勤務形態で、介護等有資格者に雇用を創出している。

今までの経営経験を生かし、2021年に株式会社CareerArtCoco-lo(キャリア―トココロ)を立ち上げ、企業の働く仕組みづくり、開発事業なども行っている。

 

著書に「ココロソダテ」「働きやすさを本気で考えたら、会社の売上が5倍になりました。-女性9割・子育てスタッフ6割で実現する働き方改革」。

学校法人共愛学園評議員、群馬県起業支援金審査委員会、群馬県子ども・子育て会議委員など歴任。

 

 

「失敗を恐れないで」 

 

 

――当時女性の起業は珍しかったと思いますが、起業のきっかけはありますか?

 

最初は作業療法士として病院で働いていたのですが、そこの患者さんに企業の社長さんが多く、「この仕事はビジネスになるから自分で何かやってみたら」と勧められました。当初は全く念頭になかったのですが、勤める以外の働き方があるのだと気付いて、起業について書かれた本を探しました。調べてみると、起業は実は結構簡単なことだと気付いたのです。

 

でも、その時点ですぐには動き出せませんでした。その後、転職をして働いていた際に、「これをやってみたい」「あれもしてみたい」とどんどんアイデアがあふれ出て、メモしたノートが何冊にもなりました。これはなにか起業しないと「自分自身に恥ずかしいな、自分の気持ちに正直に向き合うべきなのかな」と心境に変化が生まれました。ちょうど30歳を迎える時期でしたので、その前にと思い立ち、29歳の時に今の会社を設立しました。

 

起業する際には家族から心配されましたが、父親から「失敗したっていいじゃないか、やってみたら」と背中を押されたことで決心がつき、やってみようと思いました。

 

起業に至るまでには出会いや気付きと決心があった。当時を語る雅樂川さん(右)

 

 

――起業されてから現在まで苦労されたことや、失敗などはありましたか?

 

起業した後は苦労の連続でしたし、失敗もありましたね。初めの頃は失敗が怖くて、不安で押しつぶされそうな感じでした。当時、女性の社長や起業家はとても少なくて、相談相手がなく、とにかく本を読みました。大学の先生や経営者の著作など、一つの課題に対して数冊の本を読んで、腑に落ちるところはメモして、実行に移す。もう淡々とやっていくしかなくて。失敗して、それを改善してというのを繰り返していった感じですね。

 

さらに仕事に対する考え方をできるだけシンプルにしていました。物事を複雑に考えるのではなく、単純に何に困っているのかを書き出してみたら、課題が重複していることがありました。最終的にはどの点に一番私が困っているのかがよく分かるので、それに対処すればよいと気付きました。私にとってアイデアをメモしたり、考えを文字に起こすことは仕事をする上で、とても重要なプロセスだと思っています。物事を客観的に見られるようになりますね。

 

「最初の失敗」はすごく高い壁に感じると思います。絶対に登れない、というような。それでも、一つずつ手をかけ、足をかけていくと、壁は乗り越えられるということを知れば、次も乗り越えられると思うのです。私自身、失敗しながらも少しずつ「登っていく」ことで、それが成功体験となり、次へとつながっていきました。よく「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われますが、それは本当のことだなと実感しています。

 

 

――失敗→成功→失敗→成功の繰り返しが自信につながり、成長へもつながっていったのですね。

 

「女性の働きやすさ」が聞きたいテーマの1つだった宮路さん(左)

 

 

――働きやすい職場の提案で受賞歴がありますが、最初からそうだったのでしょうか?

 

最初は鉛筆1本を買うのも私が決めるぐらいの「トップダウン方式」の職場でした。それでは求人にも人は来てくれないですし、自分の身に何かあった時に迷惑をかけてしまうと考えるようになりました。少しずつスタッフの声を聞いてエンパワメントな組織にしようと改革を始めました。

 

私自身、妊娠・出産をして人生観が変わりました。妊娠したら、世界が変わったように景色がキラキラ輝いて美しく見えたり、産後には私の命が子どもに吸い取られるような感覚になったりしました。人生って命をつないでいくものなのだと思うようになりました。そうしたら会社のスタッフ一人一人が大切な存在だとあらためて思うようになり、より真正面からスタッフと向き合うようになりました。一人一人と向き合えたからこそ職場でのチームづくりがタイミングよく進められたと思います。

 

会社では誰が見てもわかりやすい「校則」のような仕事や働くことの制度の仕組みをまとめた小冊子を毎年作っているのですが、スタッフアンケートから本当に必要とされている制度に更新しています。

 

 

「よい企業とは」

 

 

――経営者から見て、「よい企業」を見分ける方法はあると思いますか?

 

インターンシップなどで直接、会社の雰囲気を感じることが一番いいですね。例えば職場の上下関係の様子や、社員間のコミュニケーションがしっかり行われているのかなど。仕事をするときは集中して、その合間などで気軽に雑談をしている社員が多いのは、よい企業だと思います。

 

もし直接が無理ならば、企業ホームページ等で何らかの賞をとっているか、公的認定されている制度があるのかなど確認してみるのもよいですね。

 

 

――なるほど、賞ですか。例えば、政府が表彰する優良企業賞や女性活躍を称える賞などですか。

 

そうです。その際のポイントとしては、しっかり受賞の内容を確認することです。申請するだけでもらえる賞がありますし、実績が伴わないと受賞できない賞もあります。実績がどのようなものかを確認されるとよいのではないでしょうか。

 

 

――雅樂川さんならではの視点ですね!私が実際に就活しているときは、そこまで調べていなかったなと思いました。

――起業の話を聞いてきましたが、群馬は実際働きやすい場所だと思いますか?

 

群馬ってなんかちょうどいい感じ。なんでも平均的なところがよいですね。私も若い頃は群馬から出たいと思って、県外にいた時期もありましたが、やはりしっくりくるのが群馬県ですね。

 

現在、CareerArtCoco-loを立ち上げて「企業の仕組みづくり」を事業としているのですが、全国を見てくると、なおさら群馬っていいなと思います。

 

生活面において女性の役割が多く、家庭の都合で残業できないとか、出張に行きにくいなどの制限があるのは確かです。家事や育児、介護など安心した生活が送れるようなバックグラウンドを整える必要がありますが、その対応は残念ながら充分とはいえません。自分はどのように働きたいのか、心理的に安心するにはどのように企業に支援してほしいなどの声を上げ続けた方がいいのですが、それを比較的受け止めてくれる土壌が群馬にはあると思います。

 

また、東京など都市部よりも待機児童が比較的少なく、子どもを保育園に預けられる環境があります。群馬は働きやすく生活しやすいと思います。

急速に変わり始めている世の中ではあるが、現状の課題もお聞きできた

 

「人生は暇つぶし」

 

 

――雅樂川さんご自身は今後、「なりたい姿」はありますか?

 

私は最終的には昼は子ども、夜は大人のたまり場になる「鉄板焼き屋さん」をしたいです。昔懐かしの駄菓子もあるようなお店ですかね。そこで私の人生経験を基に、仕事に迷った人の相談に乗ったりできるのではないかと。今まで経験してきたことやノウハウを全て出し切って、人生を全うしたいと思っています。

 

CareerArtCoco-loもそうです。私はリーダーとしてみんなを引っぱるタイプではなくて、どちらかといえば「縁の下の力持ちタイプ」なんですね。支えるとか世話が得意なので、自分が今まで経験したことや失敗してきたことを生かせる仕事を一生続けたいと思います。

 

 

――ご自身の経験やノウハウを人のために使いたいってすごくすてきですね。「鉄板焼き屋さん」が開店したらぜひ教えてください!

それでは、最後に大学生など就活生へのメッセージをお願いします。

 

人生は失敗だらけでも、諦めさえしなければ自分のしたいことは手に入ると思うので、自らの道を突き進んで行ってほしいです。

 

大学生など若い時はいくら失敗しても許されます。20代のうちは専門的な知識を得たり、遊学のようなライフスタイルでよいと思います。たとえ勤勉に働かなくても、つらい時は一度「離脱」したっていいし、辞めたっていい。辞めたから何かやらなきゃとプレッシャーを無理に感じなくてもいいのです。ブラブラしているうちに出会いがあったり、興味を持つものが出てきたりします。そこからやりたい仕事が見つかる可能性があるので、そんなに自らを追い込まなくていいし、真面目に考え過ぎなくていいと思います。「人生は暇つぶし」だという思いもあります。

 

振り返れば、私は真面目に仕事をしすぎてしまって、もっと好きなことをやればよかったと思っています。30、40歳からでも何者にでもなれる。「小さくまとまらない方がいい」と思います!

 

 

――真面目に堅くならず、自分の好きなことを諦めずやり続けることが一度の人生を思いっきり過ごすポイントになりそうです。本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

 

まとめ

 

 

今回、雅樂川さんにインタビューをして、何か強い芯を感じました。それがあるからこそ失敗をしても乗り越え成長につなげていき、突き進むことができるのだなと思います。正直、経営者の方というと、どこか関わりにくいイメージがありましたが、全然自分たちと変わらず一人の人間だと感じ、親しみさえ抱きました。

 

私自身は、失敗はなるべくしたくないと思っていましたが、失敗を恐れて行動しないよりも行動をして、失敗してもそれを次の足がかりにしたほうが何倍も成長できると気づきました。人生をどうしたいかは本当に自分次第で、私も好きなことを突き詰めていきたいと思いました。また、群馬は働くためのバックグラウンドを整えるにはすごく良い環境なのだろうと思いました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

働き方について考えることは、生き方も考えること。とても刺激を受けた時間でした

 


 

『学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク』(令和5年度)

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