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【#製造業#女性#就活#群馬】株式会社日東電機製作所

インタビュー

学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク

学生ライターが行く!グンマ・シューカツ・ネットワーク」では、学生ライターが注目する企業・業界について、学生がインタビューし作成した記事を掲載していきます!

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今回は、女性が活躍する製造業株式会社日東電機製作所さんにインタビュー!


 

現在私は、群馬県で就職活動を行っているのですが、群馬県は製造業系の仕事が多く、女性として製造業で働くことへのハードルの高さから仕事を選ぶ範囲が狭くなってしまっています。

群馬県に就職しようと考えていて、同じような悩みを抱えている女性の方もいると思います。

 

そのような方々に、製造業でも女性が活躍できることを伝えて、就活の新しい一歩を踏み出す一助になりたいと思い、「株式会社日東電機製作所」(以下、日東電機)さんを取材させていただきました。

 

日東電機さんは、主に、発電された電気を適切な出力に変化させて、生活のさまざまな場面で使える状態にする役目の「配電盤」を設計している会社です。

図面づくりから回路設計を行っているのですが、女性の方も活躍されています。

 

今回は青木孝浩社長、第一技術部の神勇弥さん(入社10年目)、鈴木萌さん(入社3年目)にお話を聞かせていただきました。

担当/田村花恋さん(筑波大学3年)

 

取材を担当した田村さん

 

-積極的にチャレンジする社風を感じたのですが、最近挑戦された新しいことはありますか?

 

神さん)

勤怠管理を今までは紙ベースで行っていましたが、それを社内でアプリ化しまして、どこでも勤怠・有休申請などができるようになりました。以前と比べて有休などの申請が出しやすくなったと思っています。

また、育休の方や諸事情で本社に出勤できない方もテレワークで仕事をしています。

 

青木社長)

新しいことに挑戦できるのは、一人一人がこれをやったら面白そうだなと考えて、それをいち早く導入するのを楽しんでいるからだと思いますね。

例えば昨年の会社の夏休みに、何か良い写真を撮ってきましょうというフォトコンテストを行いました。写真が60枚ぐらい集まったのですが、ただやるだけでは面白くないと思い、投票用アプリを作っていいなと感じた写真に一人一票入れるようにしました。

 

「採用担当」として採用活動も行っている青木社長

 

-そういったアプリはどなたが作られるのですか?

 

青木社長)

フォトコンテストは企画の社員がやってくれました。ただ別にプログラミングができるわけではなくて、最近、プログラムを知らなくても、アプリができるような時代になってきましたよね?

担当した社員も全然そっちには精通してないのですが挑戦してくれました。

 

-皆さんでなにかやってみようという探求心に溢れているんですね!

 

 

-現在女性社員は何割在籍されていますか?

 

青木社長)

女性の社員の割合17%です。平均年齢が今37.5歳という状況ですね。

一般的に業界でいうと423歳が平均だと思うので、それよりは56歳若いというところです。

 

-新卒採用で女性を雇う機会が増えたということですか?

 

青木社長)

今年も4人女性が入社する予定で、毎年コンスタントに採用も増えていますね。

当社は基本的に新卒採用のみで、全員が正社員という採用方針です。

だからこそ、たとえば文系出身であっても女性であっても基礎から学んでいって、計画を立てて教育できる点が強みになっていると思います。

 

-女性も活躍していることは現在どのようにアピールされていますか?

 

青木社長)

特にこだわっている部分はないのですが、みんなが平等に働ける環境であると思っています。

アピールとしては、今年に入ってから採用のホームページをリニューアルし、そこにあるパンフレットの部分で、会社の雰囲気だけでなく、社員紹介なども色々載せているので、そこがアピールポイントになっていますね。

 

-鈴木さんの視点から、ここもアピールした方がいいなと思うことがあったら教えて頂きたいです。

 

鈴木さん)

そうですね。私自身3年目で、変電所などに行く現地調査に今まで行ったことがなかったので、上司の神さんに声をかけさせていただいて、現地調査を初めて行わせてもらいました。実際に行ってみて初めて分かったことが多かったです。

「これをやりたい!」という意思を声に出すとやらせていただけて、積極的に行動できる環境ではあるので、そこも含めて女性も活躍できる良いアピールポイントだと思っています。

 

-確かにやりたいことができる環境はありがたいですよね。

 

文系出身でUターン就職した鈴木さん

 

-女性も活躍できるようになったきっかけなどがあれば教えていただきたいです。

 

青木社長)

まず女性が活躍できるようにしようと特別に思ったことがなくて、逆に女性でできないというか、気付かなければいけないところは、多分重いものを持つなど身体的な違いを適材適所でリカバリーすることだけだと思っています。それ以外にできないことっていうのはないですよね。ですので環境を整えてあげることは大事だと思うんですね。

例えば当たり前ですが、必要なトイレを用意するなど環境を整えてあげれば、女性でなければできないようなことをできるようにするとかはあまり必要ないです。むしろ女性の方が細やかで、気が利くところはあると思います。

やはり女性ならではの目線というのもあると思いますし。ビジネスで一番大切なことって相手がどう思っているのか、こういう風に説明した方が相手は分かりやすいのかなと考えられることだと思います。相手の立場に立って考えることって、すごく大事だと思います。

その後に、技術的な知識や、経験が必要になってくるのかなと感じています。いくらそういう経験や知識があったとしても、相手を怒らせたり、粗末な扱いをしてしまったりしたら仕事って続かないじゃないですか。ですので特別こう女性はっていう風に気にしていないですね。

 

神さん)

確かに、後輩の鈴木さんの仕事ぶりを見ていても、女性ならではのきめ細やかさは感じるかもしれません。

 

青木社長)

ちなみに、社内では組み立てなどを担う技能系の社員とエンジニアリング系のパソコンを使って図面を書く部門の社員が半々というイメージです。いずれにも女性がいるし、ゼロから学んで現在活躍している社員が多くいます。

 

 

-女性を参加させるではなく、そもそも女性も同じじゃないかという視点はとても共感できます。女性がものづくりに携わるハードルが下がった気がします。青木社長ご自身が元々そのようなお考えだったのですか?

 

青木社長)

正直、電機の会社で、ものづくりの会社って、女性はあまり選択肢の中にないのではないですかね。私は社長兼採用担当で、先週も高校生の前で会社説明をしましたが、生徒に説明する時に電機の専門的なことを言っても難しいし、興味も湧きづらいと思います。男女全然一緒のはずなんですけどね。

なので最近は「自分たちが学んできたことが社会に生かせますよ」や「世の中の下支えをしてますよ」という説明をしています。その材料が電機なだけであるので、電機を扱う仕事がより身近になると思います。そうしないとなかなか振り向いてもらえないですね。逆に、ものづくりに興味はありますか?

 

-個人的に製造業と聞くと、工場で何かを組み立てるとか、溶接するとか、そういうイメージが大きくてなかなか自分から足を踏み込めないので、「社会で生かせる」「人柄で採用している」と言われると、働けそうだなという気持ちになりますね。そういうアピールをしていただけると、就活生としても行ってみようと思えるかもしれません。

 

青木社長)

そうですね。まずは行ってみようと思ってもらわないと、会社の魅力ってなかなか伝わらないんですよね。

 

 

-鈴木さんは日東電機さんで働いて良かったなと、どのような部分で思いますか?

 

鈴木さん)

私は文系出身で、電気回路の知識などもなく入社して3年目になったのですが、こなせる仕事の量も増えてきて、できることが多くなり、自分自身の成長を実感できる部分があって、働いて良かったなと思います。また、私が設計したものが、隣の工場で製品になっているのを見ると、「あ、頑張ったんだな」と感動できる機会もやりがいに感じています。

私の場合は、とにかくメモをして、早く活躍できるように努力しました。社内の勉強会なども積極的に参加しています。

 

実際に書き留めたノート。いつでも見返せるようにたくさんの付箋が付いている。

 

-お話をたくさん聞かせていただいて、社長さんの考え方がとても素敵だなと思ったのですが、社長さんの考え方が会社で生かされてるなと思う部分がありましたら、お聞きしたいです。

 

神さん)

そうですね、8割以上の社員が参加する社員旅行も行っていますし、今週末は地域の方をお呼びしたチャリティコンサートも企画しています。さらに、社員それぞれが個人で、自分の力を生かしてこういう企画を運営して、自分の受け持っている部分に対して能動的に行動していく、そういうところにも表れるかなと思っています。

 

青木社長)

私たちの仕事は法人のお客さまに対して行う、いわゆる「BtoB※」なので一般消費者であるカスタマーの方と触れ合うことがないんですよ。ですのでチャリティコンサートはカスタマーさんと関われる貴重なイベントです。礼儀正しさや、どうやったら喜んでもらえるかを考えて人をもてなすことを学べるので、社員にとっては良い勉強の場です。

BtoBBusiness to Business)とは企業間取引を意味し、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引のこと

 

-どんなことからも学ぶことができるのですね!

 

 

-採用する上で「この学生とは相性が良さそうだな」、「伸びそうだな」などを見極めるポイントはありますか?

 

青木社長)

一般的な話になってしまいますが、質問したことに対して相手がどういう答えを望んでいるかを考えて的確な答えを出してくれることと、やはり変化球を投げた時の頭の回転の早さは、何をもってしても変えがたいものだと思いますね。相手がどういう意図で変化球を出してきたのかなというのを理解して、こういう答えですよねというふうに返してくれるというのは、学んでできるものではないので、そういうところを見ますかね。うちの製品はオーダーメイドで同じものはあまり作らないのですが、そういうところにも生きていますね。

 

神さん)

後輩を指導する上でも、伝えたことに対して「こういうことですよね?」とコミュニケーションが取れると理解してもらえているという安心感があります。仕事をしていく上でも大切なことかもしれません。

 

-相手が何を求めているかを見極める力が大切なのですね。

 

ものづくりの魅力と責任感について語る神さん

 

-製造系の会社の代表として学生に向けて何かメッセージをお願いします。

 

神さん)

私たちの仕事はお客さまと打ち合わせをしながら、ものを完成させて、それを納めていくというような仕事の仕方をしています。そういったものづくりをやってみたいという方はぜひ来てほしいです。群馬から全国各地に自分の作ったものが届くという達成感を感じられますし、この仕事はかっこいいなと思っています。長く勤めたいという気持ちがあれば、じっくり就活のときに知る機会を設けた方が良いかもしれないですね。

 

鈴木さん)

ものづくりに興味のある方、また社会貢献ができる仕事がしたい、自分の考えを形にしたい方がいれば積極的に来てほしいです。私も社会貢献できるというのは就活のときに大切にしていたポイントです。迷ったときはそこから考えて現在に至ります。ぜひ気になる企業には説明会に参加するなど、実際に行動してみた方が良いと思います。

 

-群馬から、世界へ向けて作ったもの、考えたものが届くのは素敵な仕事です。自分が考えたものが形になるのが製造業の魅力なのですね。

 

実際に仕事現場も見せていただきました

 

青木社長)

一つの製品の最終形を作って出来上がったものを見た時の感動は違いますね。

鈴木さんが社会貢献できるのがやりがいと言っていましたがその通りで、私の会社はミッションらしいミッションというのはないのですが、電気をつなぐのが仕事で、そうすることで人と豊かな暮らしがつなげられるんですよね。

何気なくエアコンのスイッチを入れると涼しい空気が出てきたり、夜に明かりがついたりするのは、私たちが見えないところで色々な努力をして、絶対に途切れないようにと電気を守っています。見えないもの、気づかれにくいものですが、私たちが努力をして、暮らしを守っているというのが大きなやりがいだと思います。

 

さらに今、私たちの業界でいうと再エネ(再生可能エネルギー)が大事な段階に入っていて、今までの経験が通用しないんですね。実際当社でも2020年から社内で使用している電力は全て再生可能エネルギーに転換しました。新しく再エネをたくさん導入しようとすると、バックアップが必要になります。それに蓄電池を導入してみようなど新しいことをどんどん考えかなくてはいけないんです。逆に良い意味で面白い転換期でもあるのでそれを色々な形で仕事を通じながらチャレンジできるというのは、大変ですが楽しみでもあるかなというふうに思います。

 

電気や配電盤では変わらない部分もありますが、作り方は変えたり、働き方を変えたりしていかないと新しくなっていかないと思います。タブレットを使ったり、アプリを作って働きやすくしたりなど、変わらないものと変えなきゃいけないものを見極めるために一人一人がもっとこうなったらいいなと考え続けることが大切だと思います。

 

-確かに自分の視点をもって物事を考え続けるのはとても大切ですね。とても勉強になりました。本日はありがとうございました!

 

オフィスの入り口で記念撮影

 

取材を終えて

製造業で女性が働くことはハードルが高いと思っていたのですが、今回お話を聞かせていただいて意外と働くことができる環境があるのだと感じました。

話を聞いている中で、私自身も製造業では働けないだろうと見切りをつけてしまっていたのだと気付き、勝手に自分の可能性を狭めていたなと思いました。

今後就活を行う際には、この仕事は私には無理だと決めつけないで、まずは話を聞くなど行動してみることが大切だと思いました。

 


 

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